小松菜は栄養価も高く、お浸しや炒め物など
幅広く料理に使える野菜です。
しかし小松菜がもつ“えぐみ”が苦手という人も
少なくないのではないでしょうか。
東洋ファームは、そのえぐみを抑えた
小松菜作りに成功しました。
まず、えぐみの元となるものは何か?
これは、『硝酸態窒素』と呼ばれるもの。
窒素は、葉や茎の成長に必要な栄養素です。
土壌に含まれた硝酸態窒素を、根から吸収することで
窒素を取り込んでいます。
肥料の与えすぎや、天候不良による光合成不足によって、
栄養として消化しきれずに植物に多く残留してしまう、
これがえぐみの原因となるのです。
そこで東洋ファームが10年前から取り組んでいるのが
土の成分分析。種を落とす数日前、土の成分をデータ化。
天候や気温などを予測しながら、肥料などの適正量を
決めていくというものです。
70棟あるハウスを、1棟ごとに行います。
「これでようやく最低ライン。
予測できないのは、なんといっても天候ですよ」
そう話すのは、代表取締役の川西さん。
10年間の気候や気温をデータ化し、独自の計算式を確立。
栽培の年間計画を徹底します。
ITを使った新しい農業の形を実現しています。
東洋ファームの前衛的な取り組みの背景には、グループ会社の
多彩なノウハウがあります。
例えば、自動車販売では、営業のノウハウ。
造園業では、ハウスなど設備の建設。すべてグループ会社でまかなえます。
また、元プログラマーの社員など多彩なプロフェッショナルが集っています。
代表取締役の川西さんは、とにかく研究熱心。
全国の農家を訪ね、様々な取り組みを見て回りました。
情報収集に余念がありません。そんな中で始めた新たな取り組み。
アスパラガスの生産です。
最短24日で出荷できる小松菜に比べて
アスパラガスは出荷まで3年という月日。
苗を植えて最長15年ほど収穫しつづける野菜です。
東洋ファームのアスパラガスは今年で3年目。
広島県産のアスパラガスという強みを活かし、販路を拡大。
既に、コンビニエンスストアの惣菜にも採用されています。
アスパラガスは、日が経つにつれて茎の部分が固くなります。
前日の夕方と、その日の朝の採れたてを出荷。
鮮度で勝負しています。
「アスパラガスとは、長い付き合いに。
まだまだ未知の世界だけに、面白さはありますね」
小松菜同様、土の分析をはじめとした美味しいアスパラガス作りに
積極的に取り組んでいきます。