広島県産応援登録制度

泣ける!広島県

「真の地産地消店」を目指す

食材の個性を見極める職人のいる店

店内に入るとすぐに目に留まる「四季やは広島の食材の応援団じゃけえ」の文字。メニューの8割以上は広島県産を使っているという‵超地産地消´店。支配人の坂本織弥さんに話をうかがいました。




「四季や」さんは、本当に広島県産応援登録制度に登録されている商品をたくさん使っていただいていますね。

「えぇ、うちは9年前からになるかなぁ。とにかく地のものを使うというのにこだわってきましたから。登録商品は、全部チェックしきれていないけど、かなり使っていると思いますよ。」

広島サーモン、広島熟成鶏、もみじ豚…本当に挙げたらきりがないくらい!でも今回は、また新たに庄原の「比婆牛」を使っていただくことになりました。

「もうね、ず~っと扱いたいと思っていたんですよ!比婆牛!」

そんなに…!? すでに牛肉は広島県産のものを扱っていらっしゃいますよね?

「県内産でいうと垰下牛、そしてA4ランクの和牛を扱ってます。だけど比婆牛が欲しかった!」

そこまで待ち望んで入ってきた比婆牛、いかがでしたか?

「さすがですよ。うちの料理長も全然違う!と驚いています。」

比婆牛はとても稀少性が高い肉です。全国では多くのブランド和牛が誕生していますが、それらの和牛の4大ルーツの一つになった蔓牛は、実は庄原のある人の手によって誕生しました。この庄原が手掛けた蔓牛を祖とした牛で、生まれも育ちも庄原であることが「比婆牛」を名乗る条件です。
牛は、繁殖農家と肥育農家に分かれていることが一般的です。全国的によく知られたブランド和牛の多くは、その土地での肥育期間が〇ヶ月以上という条件はありますが、繁殖期をどこで過ごしたかについて問うところはありません。むしろ、全く別の土地で生まれ育った牛を買い付けてきて育てるということの方が当たり前なのです。比婆牛の場合は、繁殖も庄原、肥育も庄原というのが条件なので、それだけでもかなり限られた頭数になってしまいます。そこから当然、肉質やサシの入り具合などの和牛としての評価も受けてはじめて比婆牛の称号が与えられます。

「火入れがね、かなり難しいです。焼き始める前の常温に置く時間、つまり肉の温度をね、しっかり把握したうえで焼きはじめないといけない。火加減、焼き時間、そして寝かし時間、そのすべてが他のブランド牛とは違います。」

稀少な比婆牛をシンプルに、鉄板焼きで提供する四季やさん。火入れがね…と、本当に難しそうな顔を見せながら、どこか楽しんでいらっしゃるように感じました。

地元の食材を使うということは容易い、でもそれがお客様に伝わって喜んでもらえてはじめて「地産地消」は成立します。個性のある食材であればあるほど、そこまでの道のりは遠い。「真の地産地消店」と名乗るのもまた職人技を極めるかの如く、稀少性の高いことなのです。


文/平山友美