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生産者インタビュー

八木農事研究会

真冬に味わえるとれたて玉ねぎ

他の野菜に比べて圧倒的に貯蔵性の高い玉ねぎは、多くの家庭で常備されており、ジャンルを問わず様々な料理に使われている。一年を通して、国産の玉ねぎを手に入れることは容易い。だからこそ、多くの人が玉ねぎの旬を忘れがちだ。広島県の一般的な玉ねぎの旬は、6月から7月。実際は、通年出荷できるようにと、品種を選び時期を違えて栽培されている。しかし冬はさすがに貯蔵玉ねぎになるだろうとあきらめていたら、11月下旬から1月下旬にかけての冬の時期に、収穫して間もない玉ねぎが手に入ることが分かった。八木の冬どり玉ねぎである。
 栽培しているのは、広島市内の八木農事研究会の方たち。全会員33名のうち、約20名が取り組んでいる。スタートして8年、年に2~3回は勉強会を開き、それぞれで栽培する冬どり玉ねぎが量、品質ともに安定して収穫できるように努めてきた。

「新鮮」を求めてかける手間

この冬どり玉ねぎ、通常の玉ねぎよりも非常に手間がかかる。まず3月中旬ごろに種まきをする。小さな種を1粒ずつ、等間隔に植えていくが、このときが最初のポイント。均等に発芽させるためには、種を植えるときの深さをそろえることが重要なのだそう。植え終わったらビニールで覆ってたっぷりと水やりをする。まだ気温が低いうちは、地温を確保する必要があるため、さらにニールトンネルを作り、地温を25~30℃にする。5月ごろ、5円玉くらいの大きさに育ったところで堀り上げる。これをタネ球と呼び、掘り出したタネ球に冬が来たと思わせるために5~6℃の冷蔵室に入れる。8月末ごろに定植をする。冷蔵室で休眠状態だったタネ球は、これで春が来たと思って成長を始めるのだという。
 そしていよいよ、11月下旬から1月下旬。他の玉ねぎが貯蔵でしか出荷できなくなるこの時期に、穫れたての葉玉ねぎが出荷される。このわずか3ヶ月で約3トンが収穫され出荷される。寒い時期に収穫されるので、当然糖度は高い。貯蔵玉ねぎからは想像もできないフレッシュ感がウリ

味わいたい稀少味、旬の味

楽しみ方は何通りもあるが、葉付きの状態で見かけたらぜひ丸ごと、蒸し焼きにするなどじっくり加熱する方法で味わってもらいたい。無水調理がもっともおすすめ。玉ねぎ自体が非常に多くの水分を含むので、蓋をしている間に驚くほどの甘みとうま味をもった水分が出てくる。緑葉、白茎の部分も安心して食べられるようにと配慮して作られているので、ダイナミックに丸ごとステーキにするのもいい。付け合わせにするのはもったいないので、ぜひ主役に!
 
それにしても一度掘り起こし、寝かせてまた植えるというのは手間ではないのか?・・・よく聞かれることだ。代表の関城喩さんは「新鮮な玉ねぎを食べてほしいから」といつも即答する。新鮮なものはおいしい、新鮮なものは貯蔵ものとは明らかに味が違う。旬を忘れがちな通年野菜だからこそ、「この時期にしか味わえない」という稀少味を知ってもらいたいと語ってくれた。


文/平山友美
料理/平山友美(八木の冬どり玉ねぎのステーキ)

動画メッセージ

八木農事研究会

住所
広島市安佐南区八木4-3-11(JA広島市八木支店内)
TEL
082-873-2211
FAX
082-873-5638
MAIL
kawaei@ja-hiroshimashi.or.jp
代表者
関城 喩
担当者
関城 喩
創業
昭和30年9月
面積
八木農研会員18名が10a~15a程度で栽培
従業員
組合員戸数 33戸
生産物
葉玉ねぎ(シャルム),枝豆,ホウレンソウ
情報更新日
令和2年04月01日

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