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生産者インタビュー

久和田農園

一枝、一房、一粒ずつ丁寧に

 久和田農園は、三原市の臨済宗佛通寺派の本山「佛通寺」の傍にある。県内屈指の紅葉の名所としても知られ、同地域でのブドウの栽培が始まったのは、およそ50年前だという。この地の寒暖差のある気候がブドウ栽培に適しているのだ。当時はまだブドウ栽培に力を入れる農家もまだ珍しい時代であった。
 同農園は直接販売方式を主としており、市場への出荷は行っていない。そのため、多種類のブドウを栽培し、ブドウ狩りのイベントを開催するなど適度に観光農園としてのエッセンスを付加している。彩り豊かに、多品種のブドウを栽培する中で、もっとも力を入れているのがシャインマスカットである。
 シャインマスカットは、大粒の日本人好みの食味で、皮ごと食べられるうえ、口の中でパツンと皮を噛んだときに広がる甘い果汁がたまらない。2006年に品種登録されて以来、急速に人気が広まったことはよく知られている。同農園もこの品種は、種なし栽培をしているので、贈答用としても喜ばれるほか、生菓子のデコレーションにも使いやすい。
 しかし消費者に嬉しい、食べやすいブドウは、栽培の過程で手間がかかっているとも言える。そもそも贈答用にできるほどのブドウを育てるには、大変な手間がかかるものだ。特にシャインマスカットは、種なし処理のタイミングが他の品種よりも難しいのだそう。花の開花時期を見逃さないように細心の注意を払う。少しでも時期を外してしまったら、種ができてしまうからだ。種なし処理は、もちろん一房ずつ行う。ジベレリンと呼ばれるこの液は、品種によって濃度も異なり、シャインマスカット用のやり方がある。この他、果実にしっかりと養分を送るための「摘芯」や一粒ずつを大きくして、且つ房の形も美しく調えるための「摘房」「摘粒」などのきめ細やかな作業が欠かせない。久和田農園ではこれらをすべて、一枝、一房、一粒ずつ丁寧に行っている。

収穫したその日に手渡したい

 ようやく実ったブドウは、早朝に収穫する。日が昇ってしまうと、果粒の水分が蒸散し始める。そうなると、みずみずしくてハリのある粒の状態で出荷することができなくなってしまう。ここで収穫数も間違えないように注意する。選果作業も時間と手間がかかる。地方発送する場合は、輸送時の振動や衝撃にも配慮して箱詰めするなどの工夫が必要となる。久和田農園は、収穫したものは、すべてその日のうちにお客様に直接手渡すことがモットーだ。地方発送でも、翌日には届くように発送までの作業を計画的に行っている。直接販売をするということは、受注したことのすべてに責任を負わなければならない。ただ良いブドウを作っていればいいというわけにはいかないということも覚悟の上だ。

直接販売だからできること

 それでも直接販売だから対応できることもある。農園主の久保田一夫さんは「これが常連のお客様が好きなシャインマスカットです」と言って、一房持ってきてくださった。何が違うのかというと、シャインマスカットの粒の色。店頭や贈答品のカタログでよく見るものより、全体的にやや黄色がかっている。実はシャインマスカットは、収穫後1日ごとに酸が抜けていく。ブドウには、もともとある程度の糖度と酸度はあるものだが、糖度が高いシャインマスカットから酸が抜けるということは、ぐ~んと糖度が強く感じられるようになるということだ。つまり黄色がかっている方が甘い。ところが酸が抜けると傷みやすいということもあり、市場では黄色がかったシャインマスカットは評価が低いのだという。さすが常連のお客様になると、久和田農園のこだわりシャインマスカットの中でも、より美味しい房はどれか、ちゃんと心得ていらっしゃる! 美味しければすぐ食べてしまうので、日持ちがする必要はないというわけだ。
 レストランで料理のソースや付け合わせ、フィリングに使うから酸味の強いものが良いとか、彩りが欲しいので複数の品種を混ぜて欲しいとか、加熱するので粒の形は気にしない、など希望を伝えるとイメージする用途に合わせたブドウを提案してくれるのも久和田農園ならでは。ここでしか手に入らないブドウを活かして、店や売り場の個性を磨いてみて欲しい。

文/平山友美
料理/平山友美(久和田農園のこだわりフルーツサンド)

久和田農園

住所
広島県三原市高坂町許山329
TEL
0848-66-1033
FAX
0848-66-5133
代表者
久和田 一夫
担当者
久和田 早紀
創業
平成1年月
面積
70a
従業員
18名
生産物
ぶどう
情報更新日
令和元年12月04日

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